電気と磁石
電気と磁石はかなり古くから知られていました。琥珀に布等で摩擦を加えると軽い羽毛等をひきつけることは知られていましたし(静電気)、磁石は天然の磁赤鉄鉱が鉄をひきつける事が知られていました。
この両者(静電気と磁石)の「モノをひきつける」という性質から電気と磁石の関係を考えたのがエルステッドというデンマークの物理学者です。エルステッドは方位磁石を電流の流れている電線の近くに置くと方位磁石の向きが変わることを発見(電流の磁気作用の発見)しました。
この電流の磁気作用発見で磁石と電流の関係のさまざまな研究がなされました。磁石の近くで電線に電流を流すと電線が動くことを発見したのがイギリスの物理学者ファラデーです(水銀を入れた容器の中心に棒磁石を固定し、周りを回転できる導体をさげ電流を流すと導体は回転した)。
ファラデーは「導体に磁束の変化を与える(又は導体が磁束を切るともいう)と起電圧が発生することを電磁誘導といい、誘導される起電力を誘導起電力、流れる電流を誘導電流という」電磁誘導現象を発見し、電気・磁気の性質を数式で表わしたマックスウェル電磁理論への道を開きました。
マクスウェルの法則で注目されることは「電界」と「磁界」が他の「場」を作り出すということで「電界」か「磁界」に時間変化を与えると次の「場」が出来る。さらに次の「場」へと「磁界」と「電界」が交互に伝播する。このように空間を伝わる電界と磁界を「電磁波」と呼んでいます。
その後フレミングが「フレミングの法則(磁場中で電流が受ける力の方向を憶えるための方法)」を発表しました。



フレミングの法則との関連

磁界の中で導体が動くと、導体に電流が流れることを電磁誘導現象といい、磁気処理水と密接な関係があります。

右手の人差し指・親指・中指を互いに直角に曲げ、人差し指を磁界の方向、親指を運動の方向に向けると中指の方向に電流が流れる。

この理論をわかりやすく磁気処理に置き換えると、水を磁気処理する際磁界(磁場)に対して直角に通過することが条件になります。磁界、電流、水流(力)が互いに直角に作用することで磁気処理が成立するため、説明にはフレミングの右手の法則を用いることになります。
参考文献 『電磁誘導』中山正敏著 『電場・磁場』青野修著


エルステッド(1777-1851) [Hans Christian Oersted]
デンマークの物理学者。電流の磁気作用を発見し、電磁気学への道を開く。

ファラデー (1791-1867)[Michael Faraday]
イギリスの物理学者・化学者。塩素の液化やベンゼンの単離など実験化学で優れた業績をあげた。のち電磁気研究に専念。電流の磁気作用から電磁気回転をつくる実験に成功、その逆の作用として電磁誘導の法則を発見、さらに電気分解に関する法則を見いだした。また電場、磁場、力線の概念を導入してマクスウェルの電磁理論への道を開いた。ほかに真空放電におけるファラデー暗部の発見、反磁性物質の発見などがある。

マクスウェル(1831-1879) [James Clerk Maxwell]
イギリスの物理学者。ファラデーの電磁場の研究を基礎に、マクスウェルの方程式を導出。また、電磁波の存在と、その伝播速度が光速度に等しく、さらにそれが横波であることを証明、光の電磁理論の基礎を築いた。

フレミング(1849-1945)[John Ambrose F.]
イギリスの電気工学者。電磁気学を研究、フレミングの法則を発見。また、二極真空管を発明するなど、電気通信技術に多くの業績を残す。
「フレミング右手の法則」右手の人差し指・親指・中指を互いに直角に曲げ、人差し指を磁場、親指を導体の運動の方向に向けると中指の方向が導体に生ずる起電力の方向を示すという法則。
「フレミング左手の法則」人差し指・中指・親指を互いに直角に曲げ、人差し指を磁場、中指を電流の方向に向ければ、親指の方向が電磁力の方向を示すという法則。
(大辞林)
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